芸術祭十月大歌舞伎

10月2日~10月26日の「芸術祭十月大歌舞伎」(https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/638/)の「二人静」に箏曲連中(そうきょくれんじゅう)として五日ほど出演することになりました。
チラシのリンクはこちら
女形の至宝、坂東玉三郎丈の演目です。

どひゃ~(((((((° д °;))))

お話が来た時は名前を聞いただけで怖気付いたのですが、こんな機会は滅多にないので図々しくもお受けしました。

怖気付いた理由は主に2点

(1)歌舞伎は練習期間が非常に短いので、覚えが悪く初見が苦手な私が付いていけるか?

(2)これまでの経歴からいって、坂東玉三郎丈は非常に芸に厳しい方と思われる。

特に、芸に厳しい至高の存在と同じ舞台に乗る事ほど怖い事はありません。そう言う人が見たら、私の甘さなどすぐにバレてしまいます。舞台では無理矢理でも自信を持って弾かないとまともな演奏はできませんが、果たして自分に勝てるだろうか?いや勝たねば。

リハでの玉三郎丈は物腰が柔らかく言葉も丁寧で優しげなのですが、非常に耳が良く審美眼もあるので、気になった所は流さずに必ず指摘し、少しでも良くなりそうな事はどんどん提案されていて、舞台を作る情熱を感じました。
今回の「二人静」も元からある作品ではなく、今回の公演のために能の「二人静」を新たに移したもので、能の冗長なところはカットし、面を付けないメリットを生かした舞踊になっていました。
私の出番は来週でまだ本番未経験ですが、リハだけでも沢山勉強させていただきました。

箏の演奏会と違い期間中は当日リハーサルというものはなく、劇場に入って着替えて準備したら後は本番一発勝負になります。頑張るしかない。
ああ…プレッシャー

チケットは歌舞伎座のホームページからも買えますし、出演者経由でも買えるようです。
ご興味ある方は是非お問い合わせ下さい。
「二人静」は夜の部です。
さんざん自信のない自分を吐露しておいてなんですが、私の出番は12日(土)、16日(水)、17日(木)、20日(日)、21日(月)になります。

ところで、女形の歌舞伎役者さんは日常の何気ない動作が非常に綺麗です。特に正座でお辞儀をする時の、手を前にスッと揃え頭を下げる様はため息が出るほど美しく見惚れます。そして玉三郎丈は何気なく立っている後ろ姿が、衣装を付けていなくても艶やかです。こう言う女性を越える女性らしさは、何十年も日々努力して体に染み込ませた結果なのだと思いました。
逆に言えば、私は外形の形状が明らかに女性だから、少々ガサツにしていても周りの人は私を女性だと認識していると言う事です。

女形の女性らしい美しさを、私も参考にすべきなんだろうか?
でも艶やかな私ってちょっと変な気もします。
努力しなくても女性にみえるのだから、やっぱり素のままでいこうかな。